深蒸し茶

2020年7月 茶況_No.360

令和2年7月4日

二番茶の摘採が終了した茶園では病害虫の防除や摘採面の殺菌などの茶園管理に取り組んでいます。巡回調査によりますとクワシロカイガラムシの寄生率が多いと報告されていますので適期防除に努めます。県内一番茶の結果が発表されましたが、一番茶の平均単価は前年比6%安、生産量は前年対比14%減と初めて1万トンを割り過去最低を更新しました。二番茶も後半は採算が取れない相場に入ると、安値のため生産を打ち切る工場もありましたので一茶二茶共に減産・相場安傾向が続きました。茶農家でオリーブ・レモン・栗・レタス・白ネギなど茶以外の栽培に力を入れる生産者も増えてきました。お茶だけでは茶農協の工場維持が難しい局面に入りました。

産地問屋は、仕入した二番茶の用途別仕分と仕上・発送作業に努めています。以前は会社納品・業務用の出荷が大量にありましたが、現在は皆無に近い数量になりました。二番茶の需要は量販店とドリンク原料だけになりましたが、今年は期待していた東京オリンピックが延期となりオリンピック需要がなくなったために準備していたドリンク原料が在庫過多となってしまい結果、ドリンク原料メーカーの引き合いが弱く相場は下落しました。相場下落に伴い製造を途中で打ち切る工場も続出し、経営はますます厳しくなっています。

消費地では「中元商戦」と「帰省土産」に対応していますが、今年はコロナの関係で帰省を見送る人も多く、例年並みの売上は期待できません。緊急事態宣言と新茶の販売時期が重なり、またイベントの中止や試飲販売もできなかったために、新茶期販売は苦戦しましたが、外出自粛による「巣ごもり需要」で量販店のお茶売上は前年プラスとなりました。政府の支援策を申請したお店もあります

「持続化給付金」 50%以上減収した会社200万円、個人100万円を支給

「家賃支援給付金」家賃の一部を最大6ヵ月分支給

「政府融資金」  無利子、無担保で3年間融資

 

「我々は戦争状態にある」とフランス大統領は宣言しましたが新型コロナウイルスによる感染者は、世界で1千万人、死者は50万人を超え世界各地で被害が拡大しています。沈静化の気配は見えず感染第二波の不安におびえています。4月~6月期の業況判断指数はマイナス57と過去最大の悪化幅を記録し、全国失業者数も200万人、コロナ解雇失職者も3万人を超えました。希望退職を募集した上場企業は41社となり、スズキの鈴木修会長は「本物の危機だ」と表現しましたが、地球規模で猛威を振るう新型コロナのパンデミックは人類最大の危機をもたらしました。最大の危機と認識しつつも経営面では、どう対処したらよいのか不安ばかりがつのります。安倍首相は「希望は見えてきた。出口は視野に入っている」と語りましたが、出口にたどり着くまで事業の継続ができるのか、希望は見えていません。コロナ関係の廃業倒産は増え続けていますが、コロナ危機を克服する手立てはまだ見えません。そして、日本経済がどう回復していくかについての絵は描けていません。人類はこれまで、開発とか経済の発展を至上とした価値観で活動してきましたが、それが覆されようとしています。新しい生活様式が広がり、どういう社会にしていけばいいのかが強く問われています。新たな行き先を見つけてとにかく今を生き延びることが必要です。

必ず、日はまた昇ることを信じてコロナの終息を願うばかりです。

 

 

価 格 帯

6/8に始まった二番茶の仕入が6/29の掛川北部・倉真・東山の入荷をもって終了しました。新型コロナウイルスの影響で先行きの不透明感が強い中、慎重な仕入に徹する毎日でした。消費地の需要が低迷したことにより、産地問屋の受注数量は減少傾向のために選択買いを徹底して最低限の仕入に終始した22日間でした。品質に少しでも難点があると商談成立に難航する場面が目立ち、末だかってない500円、400円を割る相場展開となりました。荒茶価格400円代に入り採算の取れない価格となると廃棄する農家や生産を早目に打ち切る工場も多数出ました。生産量は昨年比25%前後の減産になると予想されます。当社の二番茶仕入価格帯は下記のとお瑛です。

 

前年対比  仕入k数 70%     仕入金額 66%

仕 入 比 率 前年(2019年)対比
300円 売    8 % 54 %
250円  売     5 % 50 %
200円 売   39 % 45 %
150円 売   48 % 123 %
100 %  

参考 掛川茶市場 取扱量 73 %   取扱い金額 67 %

 

今年は二番茶摘採前の必要な時に雨がなくて芽伸びが進まず外観・水色ともに色がのっていない赤目のお茶が多く散見されました。6月12・13日の雨以降は急に暑い日が続きコワ葉化が進みましたので、品質的には例年より内容の劣る荒茶が多く見受けられました。二番茶の需要はスーパー等の量販店需要とペットボトルの原料となるドリンク需要に限られていますので仕入する産地問屋も限定されます。かっては専門店が一番茶は店頭販売、二番茶は会社納品として、1・2番茶需要のバランスが取れていましたが、ほとんどの会社で社内需要はなくなりました。自動給茶機が設置されている会社もありますが、多くの会社はペットボトルの自動販売機の設置でお茶は個人負担となりました。二番茶を仕入する問屋は量販店原料とドリンク原料を扱う問屋に限られますので、生産者は売り先の確保が厳しくなり価格交渉が難航して販売に苦戦する様子が多く見受けられました。今年の相場では経営が成り立たないことから工場閉鎖を決めたところや、来年は二番茶製造をヤメルところが続出しています。廃業する工場や放棄茶園が増えますとドリンク関連業者は原料確保が困難になりますので廃業する茶畑や工場を借りて原料の安定的な確保に動いています。

 

水出し煎茶が売れてます。

 

水出し煎茶(ティーバッグ) 80g(5gx16) 卸価格450円 30袋入

*「水出し煎茶」の原料は水出し専用の茶葉を使用して製造しています。抹茶入り

* サンプル送付いたします。TEL・FAXお待ちしています。

 

 

 

<新商品発売のお知らせ>

ドリップフィルター「茶楽らく」

「淹れる手間よりも捨てる手間」とよく言われますが、お茶を淹れるのは面倒だとは思わないが、使用した後の茶殻の処理を面倒だと思っている消費者の方は意外と多いものです。

そこで今回、使い捨て型の急須・カップ用のティーフィルターを開発いたしました。

このドリップフィルター「茶楽らく」を使用することによって、捨てる手間と洗う手間が簡単になり、手軽にリーフ茶を楽しむことができます。リーフ茶の消費低迷により、茶業界は大変苦戦を強いられておりますが、本製品を使用することにより、リーフ茶復活につながればと思い、本商品を開発いたしました。ロッドや価格等、お気軽にお問合せください。

Mail:nakane@kakegawa-cha.co.jp

TEL:0537-23-3252