深蒸し茶

2020年8月 茶況_No.361

令和2年8月3日

長かった梅雨も終わり茶園では害虫防除や整枝・施肥など茶園管理が再開されました。雨続きで茶園管理作業が思うように進んでいませんので、茶園管理は暑い日をはさんでしばらくは続きます。今年の1・2番茶はコロナと天候に振り回された異例のシーズンでした。活気を欠いた二番茶も生産を途中で打ち切る農家も続出して生産量は前年比2割減、単価は過去最安値を更新する最悪の状況でした。工場の生産効率や健全経営を考慮して工場再編が検討され始めました。売上減による100万円の給付金や700万円無利子融資を申請した工場も多数あるようです。

産地問屋は仕上・出荷作業を進めながら倉庫の整理・整頓を進めています。会社需要・業務需要が激減しましたので二番茶の仕上は量販店向けのみとなりましたので仕上回数も大幅に減りました。その結果棒茶・粉茶などの出物類も少なくなりました。6・7月の出荷は前年比10~15%減となります。無利子・無担保の政府融資金を利用する産地問屋も多数ありました。

 

「政府無利子無担保融資金」 相談窓口 各金融機関

対象者 ひと月の売上が前年同月比15%以上減少している事業者

消費地では、広がる第二波の影響で来店客数が減少し苦境に立たされています。喫茶を併設しているお店は、3密対策を実行していますが、自粛ムードが強く厳しい状況が続きます。商店街の納涼祭やイベントが中止になるなど、夏に期待していた冷茶販売にも影響が出ています。新型コロナウイルスの影響で解雇や雇い止めにあう人が1ヶ月で1万人のペースで増え続けており雇用への心配は収まる気配がありません。経済低迷の長期化で失業者が一気に増える可能性もあり雇用情勢が好転する兆しは見えません。企業業績も大幅に悪化して上場企業の3割が赤字と発表されました。4~6月期の四半期決算ではJR東海は新幹線利用客84%減で726億の赤字、ANAは1088億円の赤字、ディズニーランド売上高95%減248億円赤字、三越伊勢丹売上高53%減305億赤字、大丸松坂屋売上高58%減271億円の赤字と感染拡大で赤字拡大が続いています。今後は人件費の削減などコストを減らす構造改革が求められており希望退職なども視野に入れます。コロナ関連廃業・倒産も飲食店、ホテル・旅館、アパレル、結婚式場などで多数出ています。4人以上の飲食自粛や夜10時以降の営業自粛などへ、忘年会・新年会の自粛が続きますと苦況も泥沼の様相です。ワクチン普及までは企業の努力と働き手の努力だけでは解決できないところまで来ているような気がします。これからは、国のリーダーや企業トップの資質が試されます。

「持続化給付金(国)」 相談窓口 0120-633-930

対象 ひと月の売上が前年同月比50%以上減少している事業者

「家賃支援給付金(国)」 相談窓口 0120-653-930

対象 連続する3ヶ月の合計が前年比30%以上減少している事業者

 

 

夏季休暇のお知らせ

8月12日(水)~ 8月16日(日)  *11日(火)の受注は午前中となります。

 

 

Where(どこで)What(何を)How(どのように)

 日銀が開いた金融対策決定会議では、新型コロナウイルスの影響が長期化すると見込まれ日本経済の回復ペースが緩やかにK字回復(勝ち組だけがV字回復して格差拡大)になるとの声が相次ぎ、2022年でも感染拡大前の水準には戻らないとの見方を示しました。なぜなら感染症を乗り越えるための構造改革に時間がかかり雇用が改善しないからとの理由です。今回のコロナ禍において企業ではリモートワークやオンライン会議が一般化し、キャッシュレス決済やオンライン授業、遠隔診療など様々な分野でデジタル化が加速しています。デジタル化に乗り遅れてはいけないという風潮ではありますが、デジタル化により省力化が進めば雇用のワクはますます狭まります。雇用が生まれなければV字回復は難しくなるとの見方です。新型コロナの流行で低迷する宿泊・飲食などのサービス業に加え、自動車産業が大幅に悪化して関連する中小企業を直撃しています。希望退職の募集が相次ぎ企業の人減らしは加速して解雇や雇い止めにあった人が4万人(7月末)を超えました。経済活動の停滞は「人手不足」から「人余り」に転じ企業や家計の支出意欲はますます萎縮して長期停滞の様相が強まっています。移動を制限するコロナ禍では、まともな経済活動ができない世界経済史上で最大級の危機といえます。消費マインドがさらに冷え込みモノが売れなくなった中で今まで見えなかったものが見えてくることもあります。働き方改革によりテレワークやリモート会議が普及しました。また政府は感染拡大を予防するために遠隔医療や「新しい生活様式」の具体例を示しました。<買い物>は少人数で空いている時間帯に、電子決済や通販も利用する。<食事>は大皿を避けて料理は個々に、対面を避けて横並びで座る。<冠婚葬祭・会食>は多人数は避ける。などのガイドラインが示されました。消費行動などの変化は加速します。これからの新しい生活様式や変化に対応した仕組みを考えた企業のみが生き残るのは、もはや必然ではないでしょうか。

ビジネスの基本に5WIHがあります。5WIHを意識することにより主旨が明確になり過不足なく対応することができます。Who(だれが)When(いつ)Where(どこで)What(何を)Why(なぜ)How(どのように)の英単語の頭文字を取ったもので、伝えたい内容をこの要素に沿って対応すると必要な情報が整理できます。コロナ後の新しい生活様式を考えた時、この中の2WIHがポイントになると考えます。Where(どこで、専門店なのかショッピングセンターなのかECサイなのか、あるいはリアル店舗とネットの融合店なのか、What(何を、消費者目線で消費者が欲っしているものは何か)How(どのように、対面販売で買い物を楽しむのか、ネット販売で3密を避けるのか、現金か電子決済か)。これからはタッチパネルやドアノブやカギも非接触タイプが普及し顔認証による接続・開錠・支払などがさらに進むと思われます。顔認証の技術は日本のNECが世界一と言われています。価値観の変化により新しい文化が育ち新しい対応を迫られますので、次の時代に沿った事業モデルを模索し新しいビジネスモデルを構築していく必要があります。コロナ後の世界企業はいかなる状況にあるのか世界トップ100社のランキングが発表されました。アメリカ企業47社(アマゾン・マイクロソフト・アップル・テスラなど上位10社は全て米企業)、中国企業24社、オランダ5社、韓国3社、日本企業(中外製薬・キーエンス・第一三共)の3社です。世界の投資家がコロナ後を見据える中で日本企業の存在感のなさが浮き彫りになっています。残念ながら世界から見て日本の評価はあまり高くないようです。特に政府対の応能力の適格性とスピード感が問われているようです。Where(どこで)What(何を)How(どのように)この3つの対応で企業トップのコロナ禍の対応能力が試される時が来ています。

 

 

 

<新商品発売のお知らせ>

ドリップフィルター「茶楽らく」

「淹れる手間よりも捨てる手間」とよく言われますが、お茶を淹れるのは面倒だとは思わないが、使用した後の茶殻の処理を面倒だと思っている消費者の方は意外と多いものです。

そこで今回、使い捨て型の急須・カップ用のティーフィルターを開発いたしました。

このドリップフィルター「茶楽らく」を使用することによって、捨てる手間と洗う手間が簡単になり、手軽にリーフ茶を楽しむことができます。リーフ茶の消費低迷により、茶業界は大変苦戦を強いられておりますが、本製品を使用することにより、リーフ茶復活につながればと思い、本商品を開発いたしました。ロッドや価格等、お気軽にお問合せください。

Mail:nakane@kakegawa-cha.co.jp

TEL:0537-23-3252