深蒸し茶

2020年3月 茶況_No.357

令和2年3月11日

茶園では施肥などの新茶に向けた管理作業を続けながら防霜ファンの点検や機械整備などをしています。昨年の静岡県の茶園摘採面積は5%減の3万8千ヘクタール、生産量は12%減の2万9500トンと初めて3万トンを割り込みました。生産者の高齢化、後継者不足、相場安から生産意欲の低迷が続き生産減に拍車をかけています。静岡県では静岡茶の需要創出に向けて、今年度中に「茶と人フロンティア静岡会議」の設立に向けて動き出しました。茶の生産者・研究者・茶商・飲料メーカー・観光事業者など多用な業種が参加して、それぞれの持つ技術やアイデアを組み合わせて県茶業の再生に全力で取り組むプロジェクトです。県茶業会議所の上川会頭は「日本一の茶産地静岡において茶は学校教育に取り入れられるなど大きな存在。多様化するニーズを見極め、茶業の新たな境地を聞きたい」とその意気込みを語りました。茶業関係者は、現在置かれている厳しい状況が少しでも改善すればと期待しています。

産地問屋は在庫調整を図りながら出荷作業を進めています。2月決算の問屋が多く決算準備も進めていますが、リーフ茶需要の低迷、暖冬の影響、取引先閉店、在庫過多などで厳しい決算内容になりそうです。茶業を取り巻く環境は昨年よりも悪く問屋からは「新茶シーズンの仕入量は限定的になりそうだ」といった声も聞かれます。

新型肺炎の感染拡大が止まりません。世界はその脅威にさらされ世界の経済活動や社会生活はマヒしつつあります。国のアンケート調査では95%が「影響ある」と回答しました。長期化すれば企業の収益力や財務体質は悪化し、廃業や解散などで活動を停止する企業が増えると政府は対策に懸命です。特に観光業・宿泊・飲食業はキャンセルが相次ぎ大打撃です。例年この時期は総会・歓送迎会の書き入れ時だけに相次ぐキャンセルや売上ゼロの日もあり損害は計り知れません。急きょ決まった一斉休校により給食がなくなり食材納入業者も苦境に立たされています。ダメージが大きすぎて国に支援を求める声も出ています。製造業では中国からの部品が届かずにラインが止まり、受注停止に踏み切る企業も出ています。「世界の工場」と呼ばれた中国部品の供給が止まれば国際分業体制がマヒして影響が長引けば倒産続出といった悲鳴も聞かれます。入国制限が強化された航空業界からも戸惑いの声が相次いでいます。約7割減まで落ち込んだ路線もあり、運休がさらに広がると「大きな減収は避けられない」と予測しています。小売業も厳しい状況が続きます。高島屋大阪店や福岡の百貨店は訪日客が来なくなってから免税売上が6~7割落ち込み、国内来店客数も減って「八方ふさがりだ」と嘆き不安は隠せません。

東京商工リサーチは「感染の拡大で企業業績の低迷が続いている。事業継続が難しい企業には致命傷にもなりかねない」と倒産や休廃業につながる恐れがあると警戒感を強めています。現在の中国に大きく依存するサプライチェーン(部品供給網)の生産拠点を日本国内や東南アジア諸国連合(ASEAN)へ拠点分散の具体策を詰めるよう助言しています。

 

 

 

楽 天 主 義

「楽天主義」は楽天グループの根幹を成すものであり行動指針として大切にしている考え方です。そのコンセプトは事業を通して実現しようとしている価値観を提示しています。

楽天が4月から携帯電話事業に本格参入します。大量のデータ通信が可能な料金プランについてNTTドコモなど大手3社の半額以下にする方向で調整して利用者の獲得を目指します。楽天は携帯電話事業、ネット通販、金融事業、医療分野など全体として収益性を高める戦略を描きます。

先日、NHKプロフェッショナル仕事の流儀で「逆風下の問題児・実業家の三木浩史」が放映されました。本業のネット通販「楽天」の送料無料化を巡る問題で逆風にさらされ、日本有数のIT企業トップ三木浩史は今、大きな逆境に立たされています。NHKは、その三木浩史氏を2か月間にわたり密着取材しました。とにかく経営のスピードを重要視していますので、時間を無駄にしない行動力と仕事一筋の生き方には驚かされます。「重要なのはスピード。勝負はこの2~3年で別れる」との一言とグローバル企業として会議もすべて英語で行っていたことが印象に残ります。日本有数のIT企業トップ三木浩史は今、様々な事業で大きな逆境に立たされています。過去何度も会社の将来を決定する大きな場面で決断を迫られました。重大事の基本的な考え方は経済学者であった父親のアドバイスであり指針となる言葉でした。その父親の言葉はコンセプトとして今も大切にしています。

 

大義名分 「行動のよりどころとなる正当な理由や道理や守るべき本分」

インターネットの特性を生かし多くの人にチャンスを提供し、フェアな社会 を構築する手助けをしていきたい。これが楽天グループの大義名分です。

 

品性高潔 「人柄、人品、人格が気高く清らかで汚れのない事」

気高さ・誇り・誠実というスタンスが事業を行う上での大前提です。

 

信念不抜 「確たる信念と物事に動じない意思」

厳しい競争の中で成功を収めることは簡単ではありませんが簡単にはあきらめることは出来ないはずです。そのためには状況に応じてアクションを再構築して事業を推進する姿勢が大切です。

 

用意周到 「準備に手抜かりがなく万全である」

成功するための方法論として「成功の5つのコンセプト」を定めています。

 

1、常に改善 常に前進

1人1人が物事を達成する強い意志を持ち、何が何でも物事を達成する人間

2、プロ意識の徹底

勝つために人の100倍考え、自己管理の下に成長していこうとする姿勢が必要。

3、仮説→実行→検証→仕組化

仕事を進める上で具体的なアクションプランを立てることが大切。

4、顧客満足の最大化

傲慢にならず、常に誇りを持って「顧客満足を高める」ことを念頭に置く。

5、スピードスピードスピード

重要なのは他社が1年かかることを1ヶ月でやり遂げるスピード。勝負はこの2~3

年で分かれる。変革せよ、変革を迫られる前に。

経営のプロフェッショナル三木谷浩史氏は亡き父親のアドバイスと指針を今でも大切にしています。消費者に喜ばれるサービスを提供することが社会の貢献につながることを信じ、常に消費者の視点に立ち消費者満足の最大化を図ります。この逆風下の中、楽天社長三木谷氏は、どんな次の一手を用意しているのでしょうか。

 

 

 

<新商品発売のお知らせ>

ドリップフィルター「茶楽らく」

「淹れる手間よりも捨てる手間」とよく言われますが、お茶を淹れるのは面倒だとは思わないが、使用した後の茶殻の処理を面倒だと思っている消費者の方は意外と多いものです。

そこで今回、使い捨て型の急須・カップ用のティーフィルターを開発いたしました。

このドリップフィルター「茶楽らく」を使用することによって、捨てる手間と洗う手間が簡単になり、手軽にリーフ茶を楽しむことができます。リーフ茶の消費低迷により、茶業界は大変苦戦を強いられておりますが、本製品を使用することにより、リーフ茶復活につながればと思い、本商品を開発いたしました。ロッドや価格等、お気軽にお問合せください。

Mail:nakane@kakegawa-cha.co.jp

TEL:0537-23-3252