深蒸し茶

2012年7月 茶況_No.278

平成24年7月12日

二番茶の摘採を終えた茶園では整枝や防除などの茶園管理が進められています。これからは暑くなり病害虫が発生しやすい時期になりますので、こまめな茶園巡回をするように指導機関では呼び掛けています。一茶の価格低迷で二茶への盛り上がりが今ひとつと感じた生産者は中切り、台切り更新を積極的に進め、二番茶の製造を少なくする、あるいは取りやめる工場も出ました。取引前から減産が予想されましたが、そこへ台風4号による想定外の被害が発生しました。強風により葉と葉が擦れて葉の周辺が黒く変色する「葉擦れ」や海に近い南部の茶園では雨に含まれた塩による「塩害」も見られます。中には半分以上の茶園で被害を受けた生産農家もあり、生産者にとって一番茶の相場低迷、二番茶の台風被害とたいへん厳しい年となりました。

産地問屋は仕入した二番茶の整理や仕上・発送と消費地との情報交換を進めながら今後の市場の流れとその対応を話し合っています。消費者の生活習慣や好みは大きく変わり、消費不況にどのように対処したらいいのか「次の決め球」を決めかねている状況です。

消費地では冷茶による呈茶を進め、丁寧な接客に努めています。最近は茶類を含めた飲み物を冷蔵庫から取り出して飲むことが当たり前の生活習慣となっていますので「水出し煎茶」や「冷茶」を一年間通して売れるように心掛けています。お中元商戦も「水出し煎茶」がよく出ました。

総務省がまとめた家計調査によりますと5月の緑茶支出金額は前年同月比6.6%減の587円、購入量は4.8%減の100グラムと発表され、1月から五ヵ月連続で前年比マイナスになっています。1~5月の累計支出金額は7.9%減、購入量は9.1%減と厳しい結果となりました。同時に「茶業に関する基本方針」が農林水産省より発表されました。今後の振興政策や事業展開の指針となるべきもので、生活様式の多様化による消費の減少や生産者の経営の安定に関する事項や基本的な方向性が示されています。

                              1・生産者の経営の安定

                              茶園の基盤整備、改植の推進、気象災害の予防、離農茶園への対応、経営の多角化

                              2・加工及び流通の高度化

                               中小企業と生産者との連携による事業活動に係る取組の推進

                              3・品質・付加価値の向上の推進

                               品質の向上に関する研究開発の推進、付加価値の向上のため取り組みの推進

                              4・消費の拡大

                               新しいお茶の楽しみ方の提案、新用途への利用に関する研究開発の推進

                              5・輸出の促進    海外市場の開拓の推進

 

消費に目を向けますと、食生活をはじめとする生活様式の変化や多様化、家族間の生活時間帯の相違などにより急須を用いてお茶を飲む機会が減少しています。そのために消費拡大に向け、輸出促進も含めた幅広い取り組みを推進します。そのためには商品力のある新商品の開発と新市場の開拓は欠かせません。

 

価 格 帯

 

今年の二番茶の仕入は7/6の春野有機茶の仕入をもってすべて終了いたしました。一番茶の安値基調が影響して軟調地合でスタートした二番茶も台風4号後の減産の声が出始めてからは需要が供給を上回る堅調な相場展開で推移しました。そして最後まで買い手が決まった予約完売の状態で終了を迎えました。ドリンク関連業者からは「お茶飢饉のような状態」と生産量の少なさを嘆く声も聞かれました。ドリンク関係業者の買い気は旺盛で「絶対量不足が深刻。目標量の半分程度しか確保できない」と数量確保を急ぐ動きが活発でした。県内の生産量は前年比25%前後の減産と予想されます。当社の仕入価格帯は下記のとおりです。

 

前 年 対 比  K数 63%     金   額    67%

前年対比

(平成23年を100とした場合)

300円売以上    27%

250円売以上    16%

200円売以上    47%

150円売以上    10%

78%

98%

90%

17%

100%

 

減産になった原因としては、一番茶の安値基調が不安材料となり二番茶に消極的な生産者が多かった。朝晩が涼しくて芽伸びが悪く、品質重視によるミル芽の前倒し摘採が多かった。台風4号による葉擦れ、塩害を受けての刈り落としなどが挙がっています。今季二番茶の20~30%減産を受け、一部の買い手から三番茶を生産してほしいという要望も出ています。年数を経った茶園は茶樹の若返りを図る必要がありますが、価格低迷により収益性が悪化して新たな投資が困難になっています。特に改植というような数年後の収益を期待する取り組みは進まない状況になっています。

 

「水出し煎茶」が例年より早くから動き始めています。当社の水出し煎茶は水出し専用に製造した原料を使用しています。是非ご利用ください。お勧めします。

 

品  名 内容量 価  格 ケース入数
水出し煎茶TB 80g(5gx16) 450円 30本入