深蒸し茶

2018年5月 茶況_No.339

平成30年5月22日

一番茶の摘採が終了した茶園では、生産者が台切りや施肥などの二番茶に向けた管理作業を続けています。6月3日頃より二番茶の摘採が始まりますが、早場所では5月末から始まるところもあり、5月中に始まる二番茶は今までに記憶にない早さです。

昨年より10日、平年より1週間早く始まった今年の一番茶は5/14の入荷をもって昨年より10日早く終了しました。新芽の萌芽も平年より1週間早く、3月~4月の適度な降雨と気温の上昇が新芽の生育を早くしました。5月の連休前に大方が終了して、仕入・売上ともに4月中に9割以上となるなど過去に記憶のない異例の速さで終了を迎えました。途中雨による中断が2日間あったものの20日間(例年は25日)と短期の取引日数となりました。山間地に限っては冬の寒干害のの影響で生産量が前年を若干下回る見込みですが、県内全域では4月下旬の雨を境に生育が早くなり増産で摘採が間に合わなくなった工場も見られました。

急須で入れる茶の消費低迷を反映して、問屋の仕入姿勢は終始慎重で、八十八夜商戦の原料調達も早目に済んだことから品選びは例年以上に厳しく、売り先が安定して決まっていない茶工場は安売りせざるを得ない価格の下落を招きました。「例年に比べて価格の下げ幅が大きく経営は厳しくなる一方」といった声も各地で聞かれました。

産地問屋は仕入れした一番茶の整理・仕上・発送・企画と販売努力を続けます。昨年は4月の新茶売上はありませんでしたが、今年は新茶売上の9割が4月に集中しましたので4月は前年比では220%位になりましたが、5月の売上は激減ですので4月~5月の合計が昨年並みになればと期待します。消費地では新茶商戦が終わり、中元商戦の準備に入りました。「水出し煎茶」に加え、水出し用ボトル「フィルターインボトル」の販売にも努めます。緑茶を冷蔵庫から出して飲む生活スタイルが普及していますので、これからの冷茶の需要拡大を計ります。

2017年の清涼飲料の生産量と金額が発表されました。コーヒー飲料9346億円、緑茶飲料4224億円(3%増)、ミネラルウォーター類2926億円(6%増)、紅茶飲料1965億円(12%増)、麦茶944億円(8%増)、ウーロン茶888億円(2%減)です。緑茶飲料は3年連続で増加、最高数量を更新しています。ドリンク飲料が増え、急須で入れるリーフ茶の低調が今後も続きますと選別買と下級茶の数量確保は一層強まりそうです。二番茶は昨年の繰越し在庫がありますので、取引問屋と需要を見極め、生産していくようになります。一番茶は1000円以下、二番茶は650円位からドリンク関連業者の引き合いが強くなり下げ止まる傾向です。仮に一番茶の最終価格から二番茶がスタートしますと初めから厳しい状況になりそうです。このままの流れでは茶生産者の存続が厳しいと廃業を懸念する声が高まっています。

生産者の皆さまへ

  • 二番茶の仕入は一番茶より1時間遅くAM6:00開店となります。
  • 仕入基準 ①色沢の良いもの ②水食の良いもの ③夏茶臭の少ないもの
  • 梅雨期に入りますので雨日を想定した摘採計画を立て、良質茶を生産して下さい。

 

価 格 帯

 今年の新茶を一言で言いますと、「市場に活気がなかった」と言えます。当初心配された通り、仕入姿勢は終始慎重で買い気は弱く消費低迷をうかがわせる相場展開が顕著でした。早場所、遅場所に差のない短期集中型となり、1日の上場口数が多く、問屋は売れるもの、売りやすいものを選択買いする場面が続きましたので、生産本数の多い大型工場ほど販売に苦労する場面が目立ちました。売り切れなかったものは取引時間が過ぎてから値下げして販売する状況が続き、下げ止まらない状況が連日続きました。産地問屋も取引先の消費地小売店の閉店等により必要(確保)数量が、前年の70%~80%と減っています。従って価格帯ごとに満腹になるのが早く、満腹になると次の価格帯に下げるという悪循環です。当社の仕入価格帯は下記のとおりです。

前年対比 仕入k数107 %  仕入金額 95 %

仕 入 比 率 前年対比(平成29年を100%とした場合)
2000円以上   0.7 %

1500円 売    2.3 %

1200円 売    2.8 %

1000円 売    8.2 %

800円 売    18   %

600円 売   13   %

500円 売   24   %

400円 売   13   %

300円 売   18   %

75 %

126 %

79 %

72 %

80 %

83 %

90 %

180 %

330 %

100  %  

参考 掛川茶市場 取引数量 552トン(103%) 取引金額 92%

今年の価格帯は500円売以下で55%と下に膨らんだ価格帯となりましたがドリンクスーパー関連商品の流れからいきますと当然の結果と受け止めています。例年より1週間早くスタートしたために原料確保に急ぐ必要もなく、値頃の年間価格帯に突入しても、依然気配は弱く新茶シーズンとは思えないムードが続いた今年の新茶でした。厳しい相場展開から、量の確保に走る茶工場も目立ちました。従って生産数量増の販売金額減の工場が多数見受けられます。生産量は1割前後の増産と聞いています。品質は始まりの1号2号は肥料の乗り、光合成が少なく葉緑素が不足気味なのか、味が薄いとの声も聞かれましたが、4/23頃の3号位からは味も香りも良くなり納得のいく内質ではないでしょうか。

 

 

お中元に最適!! 水出し煎茶が売れてます。

水出し煎茶(ティーバッグ) 80g(5gx16) 卸価格450円 30袋入

 

1、「水出し煎茶」の原料は水出し専用の茶葉を使用して製造しています。抹茶入り

2、HARIOの「フィルターインボトル」とセットでお中元商品として販売したらいかがでしょうか。