深蒸し茶

2021年10月 茶況_No.373

令和3年9月29日

茶園では、まもなく始まる秋冬番茶摘採の準備を進めています。今年は雨に恵まれて茶の木は水分を充分に蓄えて稀にみる良好な園相をしています。秋冬番茶は主にドリンクの原料や量販店のほうじ茶原料になりますので仕入する問屋も限定されますし、製造する工場も予約を受けた茶工場に限定されます。現在出回っている早場所の価格は前年並みから若干高で取引されています。

静岡県の農業の担い手に占める法人の比率が上がっています。高齢で農業を退く個人から農地を借りて規模拡大する会社を設立する例が多いからです。規模拡大が根底にありますので借り受ける農地は機械化が可能な農地に限られます。これからは法人の経営が地域農業の持続性を左右します。法人化することで行政の補助金や金融機関の融資枠が大きくなることもありますが、農業機械を共同所有したり、一部の作業を共同あるいは委託することにより会社員的な生活を維持できることもメリットです。今後、離農する人が増えると法人にとっては規模拡大の好機ですが、省力化と技術力、効率と持続性などの生産体制の確立が大きな課題となります。

産地問屋は、始まり出した秋冬番茶の数量確保と受入倉庫の整理を進めています。秋冬番茶で今年のお茶の仕入は、すべて終了します。ドリンク関連業者の数量確保の動きもありますので生産量・相場展開は見通せない状況です。今年の茶業資金は、政府の緊急融資から資金調達をしている問屋が多く資金繰りは楽に推移していますが、本当の危機がやってくるのはこれからとの強い危機感を持って経営に臨んでいます。

消費地では急に秋の気配が強まり、巣ごもり需要とともにお茶の消費拡大に期待を寄せています。緊急事態宣言のために客数減による売上減により赤字経営に陥り小売店の閉店が過去に例のない勢いで加速しています。3蜜を避けるためにネット通販や食品スーパーや宅配などで買い物する人が増えて商店街の小売店は苦戦を強いられています。苦戦続きの上に「秋祭り」も2年連続で中止となり商店街の人通りは寂しい限りです。10月になれば緊急事態宣言も解除され最悪の状態は脱しますが、外出自粛や節約志向は続きますので厳しい経営状況に変わりありません。政府は11月から社会経済活動の段階的な再開を目指しますが、小売店側も消費者の新しい生活様式に合わせた販売方法や安心と納得の得られる具体的な対応策を求められています。

変異を繰り返すコロナウイルスが短期間で人類の前から消え去るとは考えにくいので、必然的にコロナとともに生きる「ウィズコロナ」で社会経済を回すことになります。新たなビジネスモデルや大きな技術革新とデジタル社会の波が押し寄せてくることも想定して進むべきゴールを、もう一度再認識することが世界の潮流になっています。

 

口切り新茶が好評です!!

口切り新茶 100g入 卸価格 600円 70本入/ケース

 

 

 

店は店員とともに栄え、店主と共に滅びる

 今から60年前の1961年三重県四日市市に近鉄百貨店の増床計画が発表されたときのことです。イオンの創業家岡田屋も地元企業として増床計画を行政に届け出ました。世に言う四日市流通戦争です。非上場企業の岡田屋に分はなく、大手資本の近鉄が勝つと誰もが思っていました。しかし、審査する通産省の委員会は地元企業の岡田屋に軍配を上げたのです。理由は岡田屋に根付く「社会性と公共性」です。岡田屋は交通事故で親を亡くした子供に奨学金を支給する制度を設けていたり、駅前に花壇を作って植樹活動をしたり、文化講演会を開いて商売以外で地域社会に貢献してきたことが評価された結果です。戦後の焦土と化した日本で露天商やヤミ屋など復興に乗り出したいくつもの小売業者がいました。衣食住のすべての物資が不足していた時代に戸板一枚ほどの場所で売りまくりましたが、誠実な商売をして地域社会に貢献するという規律ある経営者はみられませんでした。戦後の混乱期の社会事情を知れば当然のことでしょう。そんな戦後の商人が精神的支柱として頼ったのが「商業界」の倉本長治氏でした。岡田屋の社是「商業を通じて地域社会に奉仕しよう」や基本行動は倉本氏の助言によるものでした。戦後の荒廃から立ち直るためには、地域の商人がまっとうな商売をして地域の役に立たなきゃダメなんだ、日本再興のためには、地域に根付いた商人が必要なんだと「商人の原点・商人の使命」を説き、いつしか倉本氏のもとに全国の商人が集うことになります。そして「商業界」の倉本氏が唱えた「商売十訓」を実践します。①損得より先に善悪を考えよう ③お客様に有利な商いを毎日続けよ ④愛と真実で適正利潤を確保せよ ⑥お互いに知恵と力を合わせ働け ⑧公正で公平な社会活動を行え ⑨文化のために経営を合理化せよ ⑩正しく生きる商人に誇りを持て。「商売十訓」は日本の流通業界の源流となり、覚醒した商人たちの中から、イオンを始めたくさんの繁盛店が生まれました。

終わりの見えない コロナウイルスとの闘いと、激変するコロナ禍とコロナ後の世界。いま企業も個人も先の見えない大きな変化の時代の中にいます。変化の先を予測し、変化の先に立つことだけが、生き残り、成長するための手段となり、経営者の真価が問われています。これからの戦略・戦術・戦闘によって ①衰退し倒産に陥る会社 ②逆境の波に耐え生き残る会社 ③逆境の波を乗り越え成長する会社。の分岐点になるといえますが、順守すべき正しい行動とはあるのでしょうか。「会社の成長はリーダーの器によって決まる」とよく言われますが、結局リーダーの器のサイズにしか会社は成長しないということです。会社を大きく成長させるためにはリーダーの器を大きくするしかありません。必要な能力を高めるためにリーダーは ①明確なビジョンと経営理念を指す ②長期的な視点と勝つ戦略 ③やる気に満ちた組織をつくる。そのために以上3つのことを念頭に行動します。自分の頭で考え、動き、その中から真実を見い出しリーダーが成長していくしかないのです。

リーダーが成長を止めたら、そこで会社の成長も止まり消滅するからです。

マーケットが求めているものは必ずあるはずです。マーケットが求めているのなら、それに対応していく。経営者の真価が問われるのは正に今のような逆境の時です。すばやく対応する柔軟性とリーダーシップが経営者に求められているのです。

ユニクロの創業者、柳井会長は倉本さんの「店は客のためにある」は知っていました。しかし、そのあとに続く言葉「店は店員とともに栄え、店主と共に滅びる」はイオンの岡田卓也さんとの対談で初めて知ったそうです。企業の永続性の大切さ、企業経営の本質を教えてもらった気がしますと。そして、現状に満足することなく一歩一歩のチャレンジが大切なことを学びましたと述懐しています。

 

 

 

<新商品発売のお知らせ>

ドリップフィルター「茶楽らく」

「淹れる手間よりも捨てる手間」とよく言われますが、お茶を淹れるのは面倒だとは思わないが、使用した後の茶殻の処理を面倒だと思っている消費者の方は意外と多いものです。

そこで今回、使い捨て型の急須・カップ用のティーフィルターを開発いたしました。

このドリップフィルター「茶楽らく」を使用することによって、捨てる手間と洗う手間が簡単になり、手軽にリーフ茶を楽しむことができます。リーフ茶の消費低迷により、茶業界は大変苦戦を強いられておりますが、本製品を使用することにより、リーフ茶復活につながればと思い、本商品を開発いたしました。ロッドや価格等、お気軽にお問合せください。

Mail:nakane@kakegawa-cha.co.jp

TEL:0537-23-3252