深蒸し茶

2020年12月 茶況_No.365

令和2年12月28日

茶園では冷え込みが強まる冬期に向けて敷草などの越冬に向けた準備を進めています。茶園に敷く敷草は雑草が伸びるのを抑え、土の乾燥や凍結を防ぎますので寒い冬には欠かせない管理作業です。JA静岡経済連は今年の県産荒茶生産量を前年比17%減の24,500トンと発表しました。1975年の53,000トンのピーク時から半分以下に下降が続いています。価格も今年の荒茶平均単価は932円と過去最低水準を更新し1999年の2321円を最高に下落傾向は止まりません。急須で入れる一番茶から、二番茶と秋冬番茶を原料とするペットボトル茶に変わったことが大きな要因です。放棄茶園の解消に取り組む「耕作放棄茶園活用ワークショップ」が各地区で開催されています。放棄茶園の活用方法を話し合って他の活用を模索したり他の農産物に転換する生産者も出て来ました。厳しい現状を見て静岡県も消費拡大を図る「ChaOI(チャオイ)プロジェクト」を立ち上げ基本戦略を発表しました。1、茶産地の構造改革推進 2、新たな価値と需要の創出 3、海外販路の拡大 4、業界の垣根を超えた先端技術の導入 5、新品種の普及促進 6、国内外の業者が買い付けできる国際茶市場の創設。同プロジェクトの委員長は消費者から求められる価値に対応していくことが重要になると説明しました。

産地問屋は年末の出荷作業に忙しく対応しています。今年は生産減から手持ち在庫が薄い問屋もあり、産地間の問屋同士の荷動きが例年以上に活発ですので11・12月の売上金額は前年並を確保できそうです。売上減・後継者不足から廃業を選択する産地問屋も出始めました。英国では創業240年の老舗百貨店デベナムズが閉店します。約120店舗を閉じ、1万2千人の従業員が職を失うことになります。ネット通販の広がりや流行を採り入れつつ低価格に抑えた衣料品ファストファションの台頭で苦戦していたところに新型コロナウイルスの拡大が追い打ちをかけたからです。これからは℮コマース(電子商取引)は喫緊の課題となっています。

消費地ではお歳暮商戦が終わり「帰省土産」に移っていますが、コロナの影響により今年は帰省を取りやめる人が多く活気はありません。会社によっては県外に移動した場合、2週間は出社禁止のところもあって、PCR検査をして帰りたくても、帰れない人もいるようです。小売店は地元に愛されるお店を目指し努力しますが毎日の売上減に直面して経営は厳しさを増すばかりです。ネット通販に活路を求め頑張っているお店もあります。県立大の岩崎邦彦教授は、茶業界は「茶葉販売業」ではなく、消費者に安らぎやくつろぎを提供する「リラックスビジネス」だと説きます。コロナ禍でストレスが高まっていますので家庭で急須で入れる緑茶の価値「ホット一息」を前面に出してと業界にエールを送ります。

 

 

 

守 破 離(しゅはり) 

新型コロナウイルスの感染者が初めて確認されてから1年、世界各国は未知のウイルスの脅威に今も有効な手立てを打てないでいます。さらに英国での変異種の感染拡大で警戒の動きは世界中に広がりヨーロッパ・中東・アジアなど40以上の国で英国からの入国制限を決めました。ドーバー海峡が封鎖されPCR検査をして陰性の人しか通行できません。日本でも25日に変異種が確認されました。感染者数の増加が懸念されます。トヨタは英国とフランスの部品物流が停止することから英国とフランスの工場の稼働を順次停止すると発表しました。新型コロナ変異種に伴う混乱が企業にも波及した形です。人々の動きが止 まり、経済が停滞することで職を失い収入が途絶える。それが直接食卓に響き生活苦や飢餓寸前の状態に陥っている貧困国もあります。WFPの推計によれば緊急支援を必要とする人が約2億7千万人にまで急増しました。昨年比で8割増です。世界銀行も減少傾向にあった貧困がコロナ禍で拡大していると警告しています。内戦が続くシリアやイエメンでは食糧不足から栄養失調になったり、人々が密集する難民キャンプでは多くの人が命を落とす事態になっています。ロックダウンによる経済悪化で北アフリカでは1日200円以下で暮らす貧困層が6000万人に達すると予測されます。タイでは年間7兆円に上る外国人旅行者からの収入を絶たれたために倒産・廃業が相次ぎ、以前のような観光の姿に戻れるかと悲観的な見方が広がっています。インドは1ヵ月の新規感染者が一時は9万人超となりGDP(国内総生産)成長率がマイナス24%まで落ち込み深刻な事態に陥りました。日本では飲食・宿泊業の倒産は過去最多となり、年末年始の時短営業要請により廃業する飲食店はさらに増えています。

英国医療調査会社が、社会が日常に戻る時期の調査結果を発表しました。ワクチンの接種により免疫を持つことで感染を終息させる「集団免疫」の獲得による日常復帰の時期を分析した予測です。日常に戻るのが最も早いのは米国で21年4月、カナダ21年6月、EU21年9月、オーストラリア21年12月と主要先進国は、いずれも2021年内の正常化が予測されますが、日本は2022年4月となり先進国では最後と予測されました。人口が多いインドは2023年4月と最も遅れるもようです。日本は医薬品開発の部門でも世界から大きく出遅れました。科学者の姿勢に敬意を払う文化を忘れ国家百年の計を見誤った結果です。薬も食料も外国に頼らざるを得ない状況はこれからも続きます。

終息がいまだ見えない中、業績が堅調なのは自社の強みを絞らない会社です。従来は自社の強みを深堀していればよかったのに、強みにこだわってはいけない時代に入りました。今までは「選択と集中」「本業周辺への事業展開」が不変の真理であり鉄則でしたが、コロナ禍は新しい分野にも進出して次の柱をいかに育てるかが問われるようになりました。NECはAIの技術を活用して新型コロナウイルスのワクチン開発に着手しました。「ハンコ不用論」が持ち上がっていますが、シャチハタは20年以上前からハンコのない社会の新事業を立ち上げ、来るべき時代に備えてきました。千葉県にある某不動産会社は、電車やバスを自社の社員で運行し、24時間巡回警備もして業績を伸ばしています。今のような時代の変わり目は、過去の法則や手法を乗り越えて突破しないと生き残れない時代の転換点ではないでしょうか。

「守破離」とは、日本の武道や芸道の修業における過程を示したものです。まずは師匠から教わった型を徹底的に「守る」ところから修業が始まります。そして自分に合ったより良いと思われる型を模索し試すことで既存の型を「破る」ことができるようになります。さらに鍛錬・修業を重ね、師匠の型と自分の型の双方に精通して、既存の型に囚われることなく過去の型から「離れ」て自在になることができるという教えです。教えを「破り」「離れ」たとしても根源の精神「守る」を見失ってはならないということが肝要です。「守破離」は物事を学ぶ時の姿勢として昔から受け継がれている言葉ですが、すぐに「離」の境地にはたどり着けません。私たちが置かれている現代は「守」や「破」を経てから、問題点を見出し、先人の知恵を生かした「離」に進む時代を迎えています。

世界はSDGsの達成に向けて2030年までは「脱炭素社会」「クリーンエネルギー」「食料の安定確保」に向けて進みます。そしてデジタル化と℮コマース(電子商取引)は必須の課題です。コロナ禍とコロナ後の時代はどう変化していくのか、そして自身はどう変化すればいいのか、そして次の一手をどう打てばいいのか。経営者でいる限り一生安泰というのは土台無理な話なのです。

 

 

【速報】お茶で新型コロナ無害化

奈良県立医科大学の矢野寿一教授は27日、新型コロナウイルスが市販のお茶によって無害化する効果を確認したと発表しました。試験管内でウイルスとお茶を混ぜ、経過時間ごとのウイルスの量を検査した結果、最大99%が感染力を失っており感染対策の一つとして期待されると発表がありました。

 

 

 

 

<新商品発売のお知らせ>

ドリップフィルター「茶楽らく」

「淹れる手間よりも捨てる手間」とよく言われますが、お茶を淹れるのは面倒だとは思わないが、使用した後の茶殻の処理を面倒だと思っている消費者の方は意外と多いものです。

そこで今回、使い捨て型の急須・カップ用のティーフィルターを開発いたしました。

このドリップフィルター「茶楽らく」を使用することによって、捨てる手間と洗う手間が簡単になり、手軽にリーフ茶を楽しむことができます。リーフ茶の消費低迷により、茶業界は大変苦戦を強いられておりますが、本製品を使用することにより、リーフ茶復活につながればと思い、本商品を開発いたしました。ロッドや価格等、お気軽にお問合せください。

Mail:nakane@kakegawa-cha.co.jp

TEL:0537-23-3252