深蒸し茶

2015年6月 茶況_No.311

平成27年6月29日

二番茶の生産を終了した茶園では整枝や防除などの茶園管理が続けられています。今年は朝晩の涼しさや雨不足から芽伸びが鈍く、ミル芽で刈り進めたために、二茶生産も非常に速いペースで進み、大幅な減産で終了を迎えました。数量・金額ともに、前年比2~3割減の生産者が多いようです。昔は二番茶分で肥料・農薬等の経費を賄い、一番茶分が所得になるといった時代もありましたが、現在は一番茶で経費を賄い、残った分が所得となるような厳しい経営です。野菜や果物などの他の農産物も視野に入れて勉強会を開催し対策を練っていますが、廃業に追い込まれる農家も出て来る状況です。一番茶は家庭で急須で飲むリーフ茶需要が減ったことが影響していますが、二番茶は会社需要が減ったことが大きく影響しています。二番茶の需要は主にドリンク関連、量販店販売、業務需要、会社需要がありますが、その内の業務需要が減り、会社需要がなくなったことが大きく影響しています。昔は女子職員が10時・3時にお茶を淹れる習慣がありましたが、今ではパワハラとなり皆無です。ですからインスタント茶を使用した給茶器やペットボトルの自動販売機が、どこの職場にも設置してあり、お茶を飲む人は、それを利用します。昔の一番茶は店頭販売、二番茶は会社納品といった販売形態がくずれてしまったことから二番茶を必要とする問屋はドリンク関連業者と量販店販売業者に限られてきました。

産地問屋は仕入した二番茶の使途別整理と仕上・発送作業を進めています。中元商品の受注も入り始めていますので、前年並確保が当面の目標です。厳しい状況が続きますので生産者とともに経営基盤強化に向けた話し合いも進めています。

消費地では、中元商戦の対応に追われています。そして本格的な夏に向けて冷茶の販促に努めています。7/1「ためしてガッテン」で「スーパー緑茶」が放映されましたので一番苦手だった中元商戦の目玉になればと店頭POPやのぼりで訴求し、販売増につながるように努めています。。

緑茶の主要カテキンであるエピガロカテキン(EGC)に免疫系の働きをよくする効能があることが分かってきました。緑茶の主要カテキンはエピガロカテキン(EGC)とエピガロカテキンガレート(EGCG)ですが、EGCとEGCGが同じ割合で入っていると免疫系に対してはブレーキとアクセルを一緒にかけたような状態となり効果が見えにくくなります。80℃前後の熱水で浸出するとEGCとEGCGが1対1の割合で含まれる緑茶になりますが、冷水で緑茶を浸出する「水出し緑茶」にするとEGCの割合が高い緑茶ができますので、免疫系の働きをよくする効果が発揮されやすくなります。

 

夏に最適!! 水出し煎茶

水出し煎茶(ティーバッグ) 80g(5gx16) 卸価格 450円 30本入り

当社の「水出し煎茶」の原料は水出し専用の茶葉を使用しています。抹茶入

 

 

価 格 帯

 6/5から始まった二番茶の仕入は春野町の有機茶を残してすべて終了しました。生産量は2~3割減と大幅な減産が予想されます。今までですと減産予想が言われた時点で荷口確保のために最終の荷まで予約を入れたりしたものですが、ドリンクの関連業者以外は、いたって冷静に終始しました。生産量の多い大型工場は、一茶同様に片付きに時間を要し「まず買い手があるかないか、次に品質、次に数量が多いか少ないかで価格が決まっていく」と市場関係者の話です。当社の二番茶仕入価格帯は下記のとおりです。大幅減産に連れ、当社の仕入量も32%減となりました。

 

前年対比仕入K数    68 %     仕 入 金 額    65 %

仕  入  比  率 前年対比(平成26年を100%とした場合)
300円以上     5 % 33 %
250円売 7 % 59 %
200円売 28 % 51 %
150円以下 60 % 75 %
  100  %  

 

二番茶は低調な相場展開で終始しましたが、大幅な減産が確定し、絶対量が不足する見通しが強まってからは、ドリンク関連業者が連日買い支える状況となり、荒茶500円代だけは強気配で終了しました。大幅な減産の原因としては、一番茶の下値が二番茶価格まで下がってしまったことから、二番茶生産が始まる前から価格安が予想されたために、一茶終了後の茶園更新面積を例年2割から、今年は3割以上に増やした生産農家が多かったこと、低調な相場を予想して生産を見合わせた工場、生産途中で荒茶500円を割り込み採算割れから生産を途中で断念した工場もありました。相場は需要と供給のバランスにより形成されています。需要を伸ばすか供給を減らすかどちらかの選択肢です。需要の伸びが期待できない現在は、生産調整をして供給を減らす方向です。静岡県では生産量日本一を死守しつつ、需要を掘り起こす対策を色々実施していますが、市場開拓、、宣伝事業も地道な継続が大切との認識です。今年でお茶の生産をやめる工場もありますが、供給減になれば需給バランスがとれるとの声も聞かれ始めています。これから生き残るために産地・消費地ともに模索し尽くして喘ぐ苦難の道が続きます。

 

7/1(水)「ためしてガッテン」で放映されました「スーパー緑茶」で緑茶消費が少しでも伸びればと期待しています。