深蒸し茶

2021年1月 茶況_No.366

令和3年1月22日

2020年の国内経済は新型コロナ感染拡大の影響により、多業種で急速に業績が悪化した年となりました。2021年になっても外出自粛の影響で観光や飲食などは落ち込んだままが続いています。雇用情勢や所得環境の変化から個人消費も勢いを欠いています。この1年間に節約したもの「旅行・レジャー・外食」が上位となり、充実したもの「毎日の食費・教育費」が目立ちました。経済活動が感染状況に翻弄される状況が続き先行きの不透明感は曇ったままで、2021年も暗い年になりそうです。新型コロナ感染が収まるまでには時間を要するでしょうし景気回復の遅れとコロナ後に迫られる事業の再構築と雇用調整は企業に大きな負荷をもたらすことになります。政府の政策は正しくても、今年増えるであろう倒産・廃業・失業などの解決には間に合わないのが現実です。経済界のトップからは厳しい年頭所感が聞かれました。「世界経済の本格的回復はほど遠い」、「消費低迷の長期化は避けられない」、「現状を守るだけでは衰亡の道を歩むかもしれない」、「消費者の価値観や行動の変化は一過性ではなく社会が変わる」など変化する社会の対応力を磨く必要性を強調する声が目立ちました。

冬の茶園は、このところの厳しい寒さに耐えている様子がうかがえます。少雨の日が続きますので茶園の畝間に敷かれた敷草は防湿・防寒に役立ち茶の木を優しく守ります。生産者の高齢化・後継者難・茶価低迷により耕作放棄茶園があちらこちらで見られるようになり生産量確保を心配する声も聞かれます。茶生産者を対象に実施した経営状況に関する調査結果では茶価低迷により83%が「厳しい」と回答し、74%が「後継者は決まっていない」と回答しました。静岡県は、経営がかってないほど厳しい状況が続く茶生産者が経営維持できるように取り組みますと決意表明しました。

産地問屋は仕上と出荷作業を進めながら新商品開発や新市場開拓に努めています。静岡市茶商組合の経営状況調査によりますと、コロナ禍で土産物や仏事関連が低調だったことから86%が「経営が厳しい」、販路を国外に広げるために23%が「輸出を行っている」と回答しました。緑茶の効能や魅力を発信し新茶シーズンを迎えたいとの意見もありました。

11都道府県に出された緊急事態宣言により、消費地では悲痛な声が聞かれます。業績悪化から市・区へ支援を求める要望書を提出する商店街も出ています。加盟店は「なくてはならないお店に」、「地域に根差した店舗運営に努める」、「地域社会で意味ある存在になる」など、地域のお客さまとのつながりを深めお客さま中心の経営を貫く姿勢が伝わります。

しかし、今後の見通しがつかない中、将来への不安は増すばかりで休業・閉店・廃業を考えているとの声も出始めました。今後コロナの影響が続いた場合の対応は?と問われ

1、従業員の休業 2、賃金カット 3,非正規従業員の削減 4,正社員の削減 5,閉店・廃業 6,収入がなくなるのでは店は閉められない、との切実な答えが返って来ました。経営者にとっては、難しい判断を迫られることは過去多くありましたが、打つ手は限られており「売り上げ減少が続き上向く雰囲気は全くない、今までで一番厳しい」と、更なる苦境に追い込まれています。新しい生活様式へ移行しつつありますので、経営課題の解決を進め、変化に対応する人材育成・投資が益々重要になります。変化は痛みを伴いますが、それを乗り越えて前進していく覚悟が求められています。体力は消耗し深刻な状況は、まだまだ続きます。

 

 

 

グリーンディール戦略 

新型コロナ禍により個人の生活も企業の活動も一変しました。誰もが全く経験した事がない状況の中、個人や企業は「ウイズコロナ」「アフターコロナ」のキーワードとともに新しい変革を進め生き残りを図っています。世界で「人が動く」「人と会う」あらゆる需要を瞬間蒸発させた新型コロナの流行は、事業プロセス、企業の体質、働き方や生き方まで見直そうと世界の再構築を迫っています。開発されたワクチンや治療薬は感染の連鎖を食い止めてくれるのでしょうか。先を見通すことができない現状にあって、はたしてこの危機を切り抜けられるのでしょうか、という不安に常に駆られます。この不安という感情は対象がはっきりしていませんし、将来への予測が立ちません。それどころか会社の危機は日毎に増していくのが現状です。特に人の移動と3蜜に関する業界は逆風が吹き荒れています。航空・観光・飲食業界などです。逆に緊急事態宣言による外出制限によりテレワークやオンライン学習が増え巣ごもり需要は増しています。食品スーパー・通販業者やデジタル化によりデジタル関連のIT企業は業績を伸ばしています。今までなら企業は半年後・1年後の見通しを立てるのですが、コロナ禍による不確定の想定外の要素が多過ぎて、経営の先行きを見通す企業はありません。ですから、どうしてもその場しのぎの対策に終始することになります。

コロナ後の経済復興策として世界中で広がりを見せているのが「グリーンディール戦略」です。これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済に復興するのではなく、この苦難を逆バネにして脱炭素で循環型の社会を目指すための投資を行うことで復興しようという経済刺激策です。地球温暖化対策の国際協定である「パリ協定」にバイデン新大統領により米国が復帰します。そしてコロナ前とは異なるコロナ後の新たな未来の復興を目指します。国連のSDGs(持続可能な開発目標)の2030年達成にも一致した強力な経済政策が実施されますので、世界経済を活性化させる可能性も指摘されています。EUグリーンディール戦略は世界のGDP成長率を増加させ、失われた雇用を創出しながら排出量の削減を促進します。世界的に脱炭素に向けた動きが急速に進んでいるのです。投資先も大きく変わって環境などに配慮する企業に向いています。脱炭素社会への移行を好機ととらえ連携する企業グループや国や企業、投資はいま一生に一度のチャンスが訪れているととらえています。「脱炭素化」に対する消費者の意識が高まり、電気自動車(EV)の開発スピードは予測以上に早くなっています。こうした流れを受けて欧州の自動車メーカー各社は電気自動車(EV)に大きくカジを切り販売が急拡大しています。フランスのルノーは車の電動化を企業が果たすべき戦略の柱に据え「自動車メーカーは現実から逃れることはできない。進化しなくては生き残れない」と将来を見据えた戦略の実現を急ぎます。車の電動化(EV)が進みますと中国のアリババ等の巨大企業各社、米国の大手IT企業、日本の電機メーカーも参入してくるはずです。ガソリン車が販売禁止となるのはノルウェー2025年、イギリス2030年、フランス2040年、日本は非公式に2035年を目安としました。世界の流れグリーンリカバリーは明らかで、それは、想像以上のスピードで進むでしょう。既存システムは過去60~70年かけて出来上がりました。次の20年で「脱炭素」のシステムを作り上げるために、前例にない転換を軌道に乗せ、経済回復の中心的な役割を果たすと期待されます。現時点の日本ではグリーンリカバリーは経済対策の柱として位置付けられておらず、世界の大きな潮流に追い付いていません。今後は日本でも「グリーンディール戦略」を意識した政策や投資が行われることになります。今年は耐えがたきを耐えながら模索と挑戦を続ける1年になりそうです。この先10年の大きな本流は見えても、支流までは見通せないのがコロナ禍の厳しい現実です。

 

 

 

 

<新商品発売のお知らせ>

ドリップフィルター「茶楽らく」

「淹れる手間よりも捨てる手間」とよく言われますが、お茶を淹れるのは面倒だとは思わないが、使用した後の茶殻の処理を面倒だと思っている消費者の方は意外と多いものです。

そこで今回、使い捨て型の急須・カップ用のティーフィルターを開発いたしました。

このドリップフィルター「茶楽らく」を使用することによって、捨てる手間と洗う手間が簡単になり、手軽にリーフ茶を楽しむことができます。リーフ茶の消費低迷により、茶業界は大変苦戦を強いられておりますが、本製品を使用することにより、リーフ茶復活につながればと思い、本商品を開発いたしました。ロッドや価格等、お気軽にお問合せください。

Mail:nakane@kakegawa-cha.co.jp

TEL:0537-23-3252